【漫画】コンプレックス・エイジ(1) / 佐久間結衣
コンプレックス・エイジ(1) / 佐久間結衣
★★★★★(星5つ)
あらすじ
26歳の派遣社員・片浦渚にとって、”コスプレ”こそが人生の全て。特に「マジカルずきん☆ウルル」の主人公ウルルになりきることに心血を注いでいた。だが、夢見る26歳は、やがて現実に直面する。渚にある日”事件”は起きた…
感想
好きなことはいくら年を取っても続けて良いのか?
この漫画のテーマである”趣味”と”加齢”。このテーマの絶対に答えは”イエス”だと思っているのだけれども、渚の場合は”コスプレ”が趣味ということで少し話が変わってくる。どこまでも人目を気にして、いちいち一気一憂してしまう姿には共感出来た。絵が綺麗すぎて渚のアラサー感は伝わってこないところが少し残念だったのだけれども、まあそこは汚いキャラクターにしすぎちゃったら漫画の主人公として成立しなくなっちゃう部分だから仕方ない。
コンプレックスと葛藤
漫画のタイトルにもある”コンプレックス”。渚の場合は高身長がそれ。自分よりも体型も顔もウルルに似ている栗原綾に出会う。他人を否定し見下すことで自分を守ってきた渚が、今度は自己否定に入ってしまうのだけれども、この気持ちは痛いほどよく分かる…”才能”とか言う言葉にも言い換えられると思うし、自分が努力してきた分野に関してサラッと上を行ってしまう人が現れると、”尊敬”とか”嫉妬”とかそういう感情は沸かないのよねえ…自分の感情を隠したくなってしまう。まだ1巻だけれども、最後の結末が”いくら年を重ねても好きなことをやる!”なのか”踏ん切りを付けて趣味とはお別れ!”なのか…後者だと勝手に思っているのだけれども、これからどうまとまっていくのかが楽しみ。