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【書評】なんらかの事情 / 岸本佐知子

なんらかの事情 / 岸本佐知子

★★★★★(星5つ)

なんらかの事情

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岸本佐和子、6年ぶりのエッセイ

講談社エッセイ賞を受賞した前作『ねにもつタイプ』から6年ぶりのエッセイ。

雑誌「ちくま」に連載したエッセイを『ねにもつタイプ』で本にした後、誰も「もういいよ」と言ってくれなかったので、
そのまま書き続けたら、もう一冊、発行することになった

本文中より抜粋。

雑誌「ダ・ヴィンチ」で紹介されていて面白そうだと思ったので即購入。
さすがにブックオフで100円では売っていなかったので、Amazonマーケットプレイスを使った。送料込みで600円くらいで買えるかな。

独特の世界観

日常生活中の取るに足らない事柄を彼女特有の視点で切る、切る、切る。

ダース・ベイダーも夜は眠るのだろうか。二週間ほど前にその考えが浮かんで以来ずっとダース・ベイダーのことを考え続けている。
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ダース考

ある年の国語の入試問題で文中の「おいそれとは◯◯できない」と同じ用法の「おいそれ」を以下より選べ、の選択肢の一つが「おいそれ取ってくれ、大島君」であったこと。それが校長先生の名前であったこと。
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みんなの名前

ただでさえオリンピックは、肉体を異常に鍛え上げられた人々が異常な競争心をむき出しにして、異常に高く跳んだり以上にくるくる回ったりする異常な祭典なのに…
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スキーの記憶

上に挙げたような、普通の人なら気にも留めないようなところを突き詰める姿勢は圧巻。
というか変な妄想ばっかりしている作者です。

にしても文章が素晴らしく、とにかく惹きつけるのがうまい。
僕はどんどん岸本ワールド全開の独特な世界観に引き込まれていきました。

穂村弘のエッセイなどが好きな人はドツボだと思う。
良い意味で緊張感一切ナシ。
日常に疲れきった人が脱力して読むのに最適なエッセイだと思った。

オススメです。

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